コールセンターで働く上で避けては通れないのがクレーム対応。
謝罪の常套句のイメージが強い「申し訳ございませんでした」という言葉、実はクレーム対応では禁句だって知っていましたか?
私は7年間コールセンターで勤務しましたが、クレーム対応で「申し訳ございませんでした」というワードを使ってしまっているオペレーターが非常に多いように感じます。
一見問題なさそうに見える「申し訳ございませんでした」という言葉の問題点と、クレーム対応における謝罪のコツをご紹介します。
- 解決していないクレームでの「申し訳ございませんでした」は禁句
- お客様がクレームを入れる理由を探り、解決に努めましょう
- 謝罪のコツは、お客様が困っている理由とセットで伝える事
もくじ
クレーム対応で「申し訳ございませんでした」は禁句です
「申し訳ございませんでした」というお詫びの言葉はクレーム対応の現場でよく聞くのですが、私はクレームを大きくする火種になりかねないと考えています。
なぜ「申し訳ございませんでした」という言葉がクレーム増大の火種になりうるのか? 理由を詳しくご説明する前に、クレームが発生するカラクリについて知る必要があります。
お客様は困っているからクレームを入れる
突然ですが、あなたは商品やサービスに不満を感じてクレームを入れた事はありますか?
そうですよね。困るからです。
お客様がクレームを入れる理由は「困っているから」なんです。
お客様が企業にクレームを入れるのは何かしらの問題や不満を抱えていて困っているからです。
裏を返せば、お客様が抱えている問題や不満を解決出来ればクレームは解消しますし、困っていなければそもそもクレームは発生しません。
お客様の訴えを聞き、不満点を突き止め、どうすれば解決出来るかを即座に判断する。
難しいですが、クレーム対応の基礎なので意識するようにしましょう。
問題が解決していないのに過去形で謝罪するのはNG
お客様がクレームを入れるのは「困っているから」という事は分かりました。
でも、それと「申し訳ございませんでした」という言葉が禁句という事になんの関係があるんですか?
私が「申し訳ございませんでした」という言葉を禁句だと考えているのは「過去形だから」です。
「なんだ、そんな事?」と感じられるかもしれませんが、問題が解決していないお客様に過去形で謝罪をするのは「勝手に話を切り上げる」事と同義です。
記事冒頭でお話してくれたコルセン初心者さんの経験を例に挙げた場合、
こんな状態になるわけです。
「商品が使えない」という問題は解決していますが、このような対応はどこか物足りず、気持ちの良いものではありませんよね。
また同じ店を利用したいと考える方は少ないはずです。
コールセンターでのクレーム対応における「申し訳ございませんでした」という文言も同じ事が言えます。
納得いっていないのに強制的に話を打ち切られてしまったという印象を抱かれないためにも、お詫びの際は「申し訳ございません」と現在進行形でお詫びするようにしましょう。
過去形でのお詫びが大きなクレームに直結するケースは珍しいですが、こうした小さな事の積み重ねがクレーム解決への近道です。
クレーム対応のコツは理由とセットで謝罪する事
クレーム対応のコツは「謝罪と理由をセットにする」事です。
例えば、ただ「申し訳ございません」と謝罪するよりも「○○して申し訳ございません」とお詫びした方がより具体的で誠実に感じられます。
- ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
- お待たせして申し訳ございません。
- ご不便をおかけいたしまして申し訳ございません。
安易な謝罪はお客様の神経を逆なでするだけ
過去形での謝罪に加え、クレーム対応に不慣れな方がやりがちな対応として「安易に謝りすぎてしまう」という点が挙げられます。
クレームを入れているお客様は興奮している事も多く、早くこの場を収めようと相槌のように「申し訳ございません」とリピートしてしまうオペレーターさんが見受けられます。
ご迷惑をおかけしているお客様へのお詫びは当然必要ですが、何かにつけて謝られるのは嫌味っぽく聞こえてしまい「謝れば良いという問題ではない!」と更なるクレームに発展してしまう可能性もあります。
クレームに対するお詫びは、「最初と最後」だけにとどめ、お客様のご不満に対するご説明中はお詫びの言葉を控えてご説明に徹するようにしましょう。
まとめ:ちょっとした事の積み重ねがクレーム解決への第一歩
今回ご紹介したお詫びの言葉は、人によっては重箱の隅をつつくような内容に感じられるかもしれません。
しかし、こうした事の積み重ねがクレームの解決への第一歩となり、さらには将来起こりうるクレームの防止にも繋がるのです。
クレーム対応は難しく、決して簡単なものではありません。しかし、絶対に解決しないクレームもありませんので、必要以上に気負わず、恐れずにチャレンジしてみる事をオススメします。