コールセンターのオペレーターにとってクレーム対応は避けて通れない道です。今回の記事でクレーム対応が上手な人の特徴を覚えて、実際の顧客対応に活かしてくださいね。
- 今、AIがクレーム対応を担う事は出来ません。
- クレーム対応が上手い人は他の業種でも重宝されます。
- クレーム対応が上手くいかない人には共通点があります。
もくじ
クレーム対応が上手い人は食いっぱぐれない
どんなに顧客満足度が高く優良な組織でも、どうしてもクレームは発生します。
組織のブランドイメージを守り、さらに成長させたいと思うのなら、発生したクレームに必ず誰かが対応しなくてはなりません。
しかし、こうした背景とは裏腹にクレーム対応のノウハウを持っている人は中々いません。誰もやりたがらないからです。
誰かがやらなきゃいけないけれど、誰もやりたがらない事が出来る人は単純に需要があります。
万が一仕事がなくなってしまっても、新しい職を見つけるのはそう難しくないはずです。
顧客目線に立った対応と素早い判断力が求められるクレーム対応は、社会人として必要なスキルを養う事が出来ます。クレーム対応のスキルが少しでもある人は就職活動の自己PRに活かしてみてください。
AIは賢いが人間を説得出来ない
現在、簡単な接客をするAIロボットが活躍し始めていますよね。
今後、クレーム対応もAIに代行してもらおうという動きが出てきていますが、こちらは簡単には実現しないのではないかと考えています。
マニュアルを記憶させるだけであれば、AIは人間とは比べ物にならないほど膨大な情報を蓄え、下手なオペレーターよりも巧みな案内・説明を行うでしょう。
しかし、人の感情を理解し、共感を示す事は人間ほど上手く出来ません。人間は論理だけでなく感情にも行動を左右される生き物です。
どんなに理にかなった事を言っていても、本当に怒っている時に
と謝罪されて溜飲を下げる方は、まずいません。
確かにAIは賢く高い処理能力を有していますが、人間を説得させる事は出来ません。クレームを入れているお客様を説得させるのは、まだ人間の仕事なのです。
感情に流されず、毅然とした対応を貫けるので笑
- クレーム対応が上手い人は需要がある
- 確立されたクレーム対応のノウハウを持っている人は貴重
- まだAIにクレーム対応は出来ない
クレーム対応が上手い人はコールセンター以外でも重宝される
クレーム対応が上手い人が重宝されるのは、コールセンターや接客業だけではありません。
オフィスワークなどの現場でも、クレーム対応で培えるスキルが活きるので、ご自身のキャリアアップに繋げる事が出来ます。
- 冷静に、かつ素早く判断する力がある
- ヒアリング能力が高い
- 報告・連絡・相談するクセが身についている
冷静に、かつ素早く判断する力がある
クレーム対応では、どれだけ興奮しているお客様を前にしても気圧されずに平常心を保つ事が求められます。
経験を積み、クレーム対応のスキルが向上すると咄嗟のトラブルにも慌てず冷静に対処法を判断出来るようになります。
クレーム対応が上手い人は、その判断力の高さから優先順位を決めるのも非常に達者です。
ご自身が決めた優先順位にそって業務を遂行するため、クレーム対応が上手い人は効率的にお仕事を進める傾向があります。
ヒアリング能力が高い
クレーム対応が上手い人は、お客様から上手く情報を聞き出し、発生している問題を俯瞰して把握する能力が高いです。
クレーム対応が上手い人は、お客様が今抱えている問題を正しく把握するだけでなく、どうしてクレームを入れるに至ったのかの背景や、お客様の大まかな性格(タイプ)まで見通します。
このヒアリング能力の高さは、オフィスワークの電話対応や打ち合わせ(商談)で大変重宝します。
報告・連絡・相談するクセが身についている
クレーム対応はチームプレイです。
コールセンターでは複数人でクレームの解決にあたる事も少なくありませんので、組織内での情報共有が欠かせません。
クレーム対応が上手い人は、高いヒアリング能力を駆使して手に入れた情報を正しく組織内へ伝達します。
少しでも気になった事柄は迷わず報告・連絡・相談するため、組織内で連携が上手く取れずトラブルに発展してしまう可能性を限りなく小さくしています。
報告・連絡・相談はお仕事をスムーズに進めるための基本的な仕事術ですが、実はキチンと出来ている方が少ないです。
クレーム対応の経験を積んでいくと、報告・連絡・相談をする習慣が自然と身に付きます。
クレーム対応が上手い人になるには
私はクレーム対応のプロになるまで約3,000件のクレームを解決しました。オペレーターになりたての頃は、先輩のクレーム対応を観察し
と感じた切り返しやクッション言葉を逐一メモし、実際にクレームが発生した時に実践して自分のモノにしていきました。
当時は相当凹みましたが、現在は「あの時に成功しない方法を一つ見つけた」と前向きに捉えるようにしています。
クレーム対応が中々上手くいかない方に見られる特徴
- クレーム対応の経験が浅い
- お客様を論破しようとしている
- 解決を焦って対応が駆け足になっている
クレーム対応の経験が浅い
中々お客様のクレームを上手く解決出来ない方は、そもそもクレーム対応の経験が浅い事が多いです。
私が今まで接してきた中でも、特に真面目なタイプのオペレーターさんは
と自信を喪失してしまう傾向があります。
この段階は、ご自身の中に対応事例を蓄積する時期だと考えています。
クレーム対応は経験がモノをいう分野です。クレームも件数をこなしていくと自分なりの対応方法が確立出来るようになっていきますので、あまり深く悩まなくても大丈夫ですよ。
お客様を論破しようしている
クレーム対応をする時に心に留めておいていただきたいのが「お客様も人間である」という事です。
間違える事もありますし、感情的になって言いすぎてしまう事もあります。
時折、お客様のミスや主張の矛盾点を指摘し、論破しようとするオペレーターさんがいらっしゃいますが、このような対応は火に油を注ぐだけですので控えましょう。
お客様を論破しても良い事は何もありません。
解決を焦って対応が駆け足になっている
クレームの解決を焦り、対応が駆け足になってしまっているオペレーターさんもいらっしゃいます。
「素早く解決しよう!」という意識は顧客思いで良いのですが、お客様のペースに合わせて対応を進めないとお客様が置いてけぼりになってしまいます。
お客様がついてこられない対応は
こういった二次クレームに発展してしまう恐れがあります。
クレームは慌てず騒がず、落ち着いて対応にあたるようにしましょう。
案内を理解されているお客様は「はい、はい」と納得した声音で相槌を打ちます。
クレーム対応は上達するのに時間がかかる
ここまでで、クレーム対応が上達する方法と、クレーム対応が中々上手くいかない方の特徴についてお伝えしてきました。
本ブログではクレーム対応のコツを発信していますが、やはり上達のカギは経験したクレームの数です。
まったくクレーム対応の経験がない方が、ある程度のレベルまで上達するとなると、どうしてもそれなりの期間が必要になってきます。
クレームを2-3件経験したオペレーターさんと比較すると、1,000倍の事例を知っている計算になります。
なので、一般的なオペレーターよりたくさんの事例を知っている分、クレームを上手く収めるのが得意です。
しかし、これだけの経験を積んでも、すべてのクレームを完璧に解決させる事は出来ませんし、クレームが上達したからといって、クレームにまったくストレスを感じなくなるという事は断じてありません。
ですが、知っている対応事例が多ければ多いほどクレーム対応が上達するのは事実ですし、円満に解決出来る可能性は高くなります。
- クレーム対応の手腕は経験が命
- クレーム対応が上手くいかない人には特徴がある
- すぐにクレーム対応が上達する方法はない
まとめ:クレーム対応のスキルを磨く事は自分の身を助ける
今回はクレーム対応が上手い事のメリットについてご紹介しました。
クレーム対応のスキルは接客業以外では役に立たないとイメージされがちですが、クレーム対応が上手い人が共通して実践している
- 慌てずに冷静な判断を下す
- 問題点を把握するヒアリング能力
- 報告・連絡・相談の徹底
この3つのノウハウが身についている人は、コールセンター以外のお仕事でも重宝されます。
クレーム対応は確かにストレスのかかるお仕事ですが、クレームを入れているお客様の問題がスッキリ解決すると
こうおっしゃって、企業のお得意様になってくださる事も珍しくありません。
辛いだけでなくやりがいのあるお仕事でもありますので、新しいお仕事へ挑戦したいとお考えの方はぜひ挑戦してみてください。