お客様は感情的になり、その場の勢いでつい暴言を浴びせてしまう事があります。
大体のお客様は、暴言を言ってしまった後で
と自覚してくれますが、中にはストレス解消目的でオペレーターに行き過ぎた個人攻撃を仕掛ける人もいます。
罵詈雑言を浴びせてくる相手にオペレーターが出来る対応方法をご紹介しますので、今後の対応でぜひお役立てください。
- お客様から暴言を吐かれたら対応を終了してください。
- しつこい場合は、相手の個人情報を聞きましょう。
- 絶対に一人で抱え込まないでください。
もくじ
暴言を吐くお客様の対応はすぐに打ち切るべき
目に余るような暴言を吐くお客様は、対応を打ち切りましょう。
非常に少ないですが、コールセンターにお電話をかけてくるお客様の中には、オペレーターからお電話を切れない事を利用し、悪質なクレームを入れる方がいます。
真面目なオペレーターさんほど、こうしたクレーマーの話に耳を傾けがちですが、暴言の内容が常軌を逸している場合は
このように告げてこちらからお電話を切りましょう。
絶対に看過出来ない暴言を覚えておこう
「暴言」と一口に言っても、蓋を開けてみると実に様々なタイプの暴言があります。
例えば
- バカ
- アホ
このような言葉も暴言に入りますよね。
ですが、私はお客様から「バカ」や「アホ」と言われただけで対応を打ち切る事はしません。
このような暴言は、お客様がその場の勢いで口走ってしまった可能性があるため、クレーマーと認定するには理由付けが甘いです。
ですので、私はお客様の主張をしっかりと聴き、お客様の要望が正当なものであるかどうか判断するようにしています。
あくまでも見極めは慎重に行いましょう。
ですが、絶対に受け入れてはいけない暴言も存在します。
- 危害を加えるような発言……死ね、殺す など
- オペレーターへの人格攻撃……無能、生きてる価値なし など
- 差別的な発言……男のクセに、女は理解力がない など
これらの暴言は絶対に許してはなりません。
お客様の口からこのようなワードが出たら、対応を打ち切ってSVに報告してください。
相手がしつこく暴言を吐いてくる場合の対策
対応を終了させても、しつこく電話をかけてきてクレームを言い続ける人がいます。
このような相手に遭遇した場合は
- コールセンター内での情報共有
- 暴言を吐いてくる相手の個人情報を聞く
- 暴言を吐いている事を自覚させる
上記3つの対策を取ってください。
対策1:コールセンター内での情報共有
悪質クレームを繰り返すクレーマーには、コールセンター全体が連携を取り、毅然とした対応をする事が重要です。
そのため、悪質クレームが発生した場合は、すべてのオペレーターに認知させましょう。
SVは、現在発生している悪質クレームに対してどのように対応をするべきかをオペレーターにしっかりと説明する必要があります。
悪質クレームに対しては一貫した企業姿勢を見せるようにしましょう。
対策2:暴言を吐いてくる相手の個人情報を聞く
目に余るような罵詈雑言を浴びせてくるクレーマーには「改めて連絡するための手段(エスカレーション)」として、下記3つの個人情報を伺いましょう。
- 氏名
- 住所
- 連絡先(電話番号)
個人情報を明かした状態だと、相手も不用意な発言がしづらくなります。
もちろん、個人情報を提供してもらった後も暴言を吐き続ける人はいますが、割と少数派です。
個人情報の提供を拒否された場合は
このように伝えて対応を終了させてください。
対策3:暴言を吐いている事を自覚させる
暴言を吐いてくる相手には「オウム返し」というテクニックが有効です。
オウム返しとは、その名の通り、お客様がおっしゃった言葉をそのまま繰り返すというテクニックです。
お客様から行き過ぎた暴言を言われた時は、相手の暴言で恐怖を感じている事を伝えるのと同時に、このオウム返しのテクニックを活用すると良いです。
オペレーターが相手の暴言を繰り返す事で「言いすぎた」と自覚される方は非常に多いです。
オペレーター初心者でも簡単に活用出来るテクニックなので、この機会に覚えておきましょう。
【クレーム対応事例】お電話で「即答が出来ないなら死ね」と言われた
ここまで悪質クレームの対応方法についてお伝えしましたが、実は度を越えた暴言を言う方に遭遇する頻度はかなり低いです。
なので、上手く立ち回るためのテクニックを知っていても、頭で理解しているだけで咄嗟のクレームに上手く対応出来ない事があります。
ですので、今回は私が実際に対応した悪質クレームの実例をご紹介します。
コールセンターの営業終了時間の間際、取り寄せ商品の入荷見込みについてお問い合わせがありました。
通常であれば、メーカーに商品の在庫状況を確認し、入荷見込みをご案内しています。
ですが、お電話をいただいた時間帯は、すでにメーカーの営業時間が終了していたため、翌営業日に確認の上、改めてご連絡をさせていただきたいとご提案しました。
ところが、ご案内にお時間をいただきたいとお伝えしたところ、お客様の態度が一変しました。
お客様に対して無責任なご案内は出来ませんので、恐れ入りますが、メーカーに確認次第のご連絡となります。
お時間をいただくご案内となり、私としても申し訳ない限りでございます。
すぐにお答え出来ない事は非常に申し訳ない事なので、そちらに関しては丁寧にお詫びし、ご案内までお時間をいただきたい旨をお伝えしましたが、お客様はご納得いただけず、ついに暴言をおっしゃいました。
オペレーターとして看過出来ない内容だったため、お客様に以下の内容をお伝えして対応を打ち切りました。
再度お電話をかけてくる可能性があったため、切電後にコールセンター内で情報共有を行いましたが、その後、新たにお電話がかかってくる事はありませんでした。
【クレーム対応事例】解説とフィードバック
今回の対応事例は、お客様がお求めの情報を即答出来なかった事が発端でしたが、その後のお客様の言い分が常軌を逸していたため、こちらから対応を打ち切ったケースです。
コールセンターへの問い合わせは非通知で行っていた事と、途中で態度が急変した事から、ストレス解消目的の問い合わせだった可能性が極めて高いです。
今回の事例では下記の対応を行いました。
- 悪質クレームの情報共有
- 本人から再度入電があった時の対応法
悪質クレームが発生した場合、各オペレーターがクレーマーとその手口を認知し、組織として一貫した対応を取る事が必要です。
具体的な対応方法を知っていれば、悪質クレームは初心者のオペレーターでも対応出来ます。
もし、悪質クレームが発生した場合は、クレームの内容と対応方法をキチンと情報共有しておくようにしましょう。
見ず知らずの人から暴言を言われるのは誰だって辛いし、怖い
突然、見ず知らずの人から暴言を浴びせられるのは怖いですよね。
私もお客様から脅迫まがいの事を何度も言われた事がありますが、これは回数を重ねれば傷つかなくなるというモノではありません。
私だって暴言を吐かれたら傷つきます。
一人で抱え込むのは絶対にやめよう
悪質なクレーマーから標的にされ、嫌がらせを受けている場合、一人で抱え込むのは絶対にやめてください。
私は、悪質クレームの悩みを誰にも相談出来ずに一人で抱え込んだ結果、アルコール依存症になってしまいました。もちろん今も治療中です。
たった一人のクレーマーが原因で、電話を取るのが怖くなったり、何年もトラウマを抱えるオペレーターさんが増えるのは絶対に避けるべきことです。
もし、クレーマーから嫌がらせを受けた場合は、絶対に一人で抱え込まず、SVや上長に報告・相談してください。それが悪質クレームの対応をする上でもっとも大切なことです。
まとめ:行き過ぎた暴言には毅然とした姿勢を見せよう
今回はクレーム対応で暴言を吐かれたときの対処法をお伝えしました。
もし、オペレーターの人格否定や差別的な暴言を浴びせてくる悪質クレーマーがいた場合は、「暴言に恐怖している」と伝えて対応を打ち切り、「コールセンター内で情報を共有」することを徹底してください。
悪質クレームを繰り返すクレーマーには毅然とした対応を行うことで、善良なお客様の対応に時間をあてることも可能になります。
行き過ぎた暴言は絶対に見過ごさず、速やかにSVや上長に相談することで悪質クレームに立ち向かいましょう。